「ママレボ通信」では、「ママレボ」の雑誌には掲載されなかった、日々の取材でのこぼれ話やレポートをアップしていく予定です。

ママレボの雑誌は、こちらからご購入できます!
http://momsrevo.jimdo.com/



2018年7月31日火曜日

ママレボ12号発売のお知らせ

いつも、「ママレボ」を応援していただき、誠にありがとうございます。
ママレボ編集長の和田秀子です。

各地で猛暑や災害が続いておりますが、皆様の中にも被害に合われた方がいらっしゃるのではないでしょうか……。
心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く平穏な生活が取り戻せるよう祈念しております。

そんなときに恐縮ですが、今回は「ママレボ12号(2018年8月発売号)」が発売されましたので、ご案内させていただきます。

今回は、各地で起こっている「原発被害救済を訴える訴訟」の中から、すでに判決が出た7つの裁判結果を踏まえ「成果」と「課題」を分析したほか、原発事故後の福島で農業を続ける樽川和也さんの苦悩なども、お聞きしております。

ひとりでも多くの方にお読みいただきたい内容となっておりますので、まわりの方々にも広めていただけると幸いです。

※なお、サポーター登録してくださっている方には、順に発送させていただきます。

<冊子版ご購入はこちらから>
http://momsrevo.shop-pro.jp/?pid=133765527

<デジタル版ご購入はこちらから>


※「ママレボ11号(2018年4月発売号)」も、まだお読みいただいていない方は、
合わせてぜひ!

<冊子版ご購入はこちらから> 

<デジタル版ご購入はこちらから> 
******* ******* ******* ******
「ママレボ12号(2018年8月発売号)」 コンテンツご紹介

この人に聞く 
❖NPO法人 みみをすますプロジェクト 理事長 /311受入全国協議会 共同代表
みかみ めぐる さん 「参加する子どもたちも、 受け入れるオトナたちも成長させる保養活動」・・・・・・・・2


特集Ⅰ 原発被害者・救済集団訴訟 7つの判決から見えてきた 「成果」と「課題」
   馬奈木厳太郎弁護士(生業訴訟)/小賀坂徹弁護士(かながわ訴訟)・・・・・・・・4



特集Ⅱ 福島の大地を守る、農家の苦悩  樽川和也さん・・・・・・・・ 10 


みんなの取り組み 地域の活動・・・・・・・・14
福島県の浜通りで放射能汚染の測定活動を行う 「ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト」
  ❖中村順さん 青木正巳さん



沖縄在住カメラマンがめぐった原発事故7年目の風景 
 〈 前編〉 18 五月の福島 「ここは代々住み続けたい、自然豊かな土地だった」  ❖今泉真也さん・・・・・・・・18



みんなの声「モニタリングポストの継続配置を求める市民の声」 猪股美奈さん・・・・・・・・20


連載企画 Come back home 第六回 ❖都築啓子さん・・・・・・・・ 21


ママレボバックナンバーのご紹介・・・・・・・・ 22 


ママレボからおすすめの本 『原発事故後の子ども保養支援――「避難」と「復興」とともに』(著・疋田香澄) 24

2017年8月3日木曜日

浪江町から福島市に避難中の大平茜さんがファンタジー小説を自費出版


本当に久しぶりのブログ更新です。

ママレボをご購読してくださっている方々には、このところまったく発行できていないことを、心よりお詫び致します……。

本業が多忙を極めていたため、なかなか形にできずにおりました。
ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。

次号の「ママレボ11号」は、10月10日に発刊します。
ただいま鋭意、準備を進めておりますので、もうしばらくお待ちいただければ幸いです。

そしてブログも、ぼつぼつと再開していこうと思っています。


今日は、浪江町から福島市に避難中の大平茜さん(24)が、8月1日に自費出版したファンタジー小説『青い瞳のエイデン』をご紹介します。

大平さんは原発事故後、ご両親と兄ふたりの5人家族で福島市内の仮説住宅に住んでおられました。しかし、原発事故をキッカケにご両親は離婚。
さらに2012年、お母さんが脳出血に。浪江町の自宅に一時帰宅して仮設住宅に帰って来た夜、倒れられたそうです。
「震災のストレスによるもの」と医師から診断され、今も言語障害、記憶障害、半身麻痺などが残っています。

現在、大平さんのお母さんは、福島市内の施設で過ごしておられますが、秋以降は大平さんとふたりで福島市内の復興住宅に移り住む予定。

「施設からは、浪江の避難指示も解除されたから、早く出て行ってほしいって言われているんですけど、浪江に戻っても病院もありませんし……。秋からは復興住宅に入って、私が責任を持って母を介護しようと思っています。けど、私、中卒でしょ。就職サポートも受けられないし、条件のいい仕事も見つからなくて。これから、仕事も勉強もしながら介護ができるのか不安です」(大平さん)

大平さんは、小学校5年生のときに〝いじめ〟にあったことをキッカケに、以来、不登校に。中学校も卒業証書はもらったものの、ほとんど登校していません。
そんな大平さんの唯一のたのしみが、読書でした。おかあさんが、よく書店に連れていってくれたのだそうです。

大平さんは現在、専門学校でイラストを学びながら、福島市の自主夜間学校に月2回通っています。いずれは仕事をしながら通信制の高校で学びたいという希望を持っています。


「『青い瞳のエイデン』は、夜ほとんど眠らずに半年で書き上げました。とにかく多くの人に読んでいただけたらと思っています」(大平さん)。

本はAmazonからも注文できます。買って応援、しましょう。




 













2016年9月11日日曜日

子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山が、「県民健康調査・甲状腺検査に関する要望書」を提出

「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山」の共同代表・根本淑栄さんと、県内に住む母親3名の計4名は9月1日、福島県庁を訪れ、「県民健康調査・甲状腺検査に関する要望書」を提出した。
県側で対応したのは、保健福祉部県民健康調査課・主任主査の福島秀行氏ら。
福島県での甲状腺検査規模縮小の動きを受け、こどけんが8月23日に要請書に対する賛同を呼びかけたところ、わずか1週間で国内119団体、海外5団体の合計124団体から賛同が集まった。
(県民健康調査・甲状腺検査に関しての要望書の提出についての賛同のお願い http://kodomo-kenkotomirai.blogspot.jp/2016/…/blog-post.html
要望書を提出した根本さんは、
「短期間にこれだけ多くの団体が賛同してくれたということは、いま甲状腺検査を縮小することが、いかにおかしいかを理解してくれたということ。福島県の子どもが置かれた状況を、多くの人に知っていただけたことがなにより意義があった」
と述べた。
要望書を受け取った県の主任主査の福島氏は、
「今日は、要望書を受け取るだけ。意見をじっくりうかがう時間はない」と繰り返し、「県としては、甲状腺検査を縮小するつもりはない」と述べるにとどまった。双方のやりとりは、わずか10分程度だった。
このあと私が、県の県民健康調査課を訪ね、この日、要望書受け取りの際に姿を見せなかった小林弘幸課長に、
「規模を縮小するのか?」と尋ねたところ、
「県としては、多くの方に受けていただきたいと考えている。規模を縮小するつもりはないが、検査を受けることでデメリットが生じるという意見があるのも事実。そこがむずかしいところですよね〜」と述べ、「今後、どうするのかは、検討委員会等で議論してもらう」と明言を避けた。
 しかし、「規模を縮小するつもりはない」という発言とはうらはらに、県が発行している「甲状腺通信」の最新号(2016年8月発行)には、
 『今回より、検査を受けることに「同意します」「同意しません」のどちらかに印をつけていただく欄を設けました。「同意しません」を選択された方には、その回の検査について、受診のご案内を追加でお送りすること(受診勧奨)をいたしません」
 と記載されている。
 県としては、〝受診を勧める〟つもりはないらしい。
 さらに、同パンフレットには、わざわざ
「甲状腺検査は必ず受診しなければならないのでしょうか」というQAが設けられており、その答えには、
「将来にわたって体にダメージを与えないかもしれない甲状腺がんが多数発見される可能性が指摘されている」
として、あたかも検査を受ける必要がないかのように記されている。
前出の根本さんは、
「これを読んだ子どもたちは、検査を受けなくてよいと思ってしまう。手術を受けた子どもたちのなかには、病状が深刻なケースもあると聞いている。手遅れになるより、検査を受けて安心できたほうがいい。ただでさえ、子どもが大きくなるにつれ、親が検査を受けろと言ってもきかなくなるので、県はもっと検査の重要性を説明し、受診を勧めてほしい」
と、述べ、検査を受けることで得られるメリットも説明すべきだと、話した。
検査の在り方などを専門家らが話し合う「県民健康調査検討委員会」は今月14日に開かれる。ここでの県の対応に注目したい。



2016年2月26日金曜日

3月13日☆シンポジウムのお知らせ「子どもの未来を語ろう」

司会進行させていただきます。
ご都合がつく方は、ぜひ足をお運びください。

子どもたちの健康と未来を案じるママたちのために
~ アーニー・ガンダーセン、メアリー・オルソン、
スティーブン・リーパー滞日企画 ~
 
◆◆ 「子どもの未来を語ろう」 ◆◆
 
日 時:3月13日(日)13:30~15:30 13:00開場
会 場:田中八重洲ビル 2階A会議室 東京駅 徒歩3分
話 者:メアリー・オルソンさん.牛山元美医師、遠藤順子医師

資料代:中学生以上500円
    大人1500円~(資料代500円+1000円~ご寄附をお願 いします)
共 催:明日は我が身のフクシマ実行委員会
    ピース・ブラットホーム
 
※避難者の方は申込みの際にご相談ください。
※開催までの間にお知らせも予定しております。
 メールアドレスをお間違えのなく入力ください。
 
●◇- 詳細 -◇●
 
見えない放射線から、我が子を守りたい!! 家族を守りたい!!
女性とこどもたち、老人と免疫力の弱い健康弱者に忍び寄る放射線被害!!
 
東京電力福島第一原子力発電所の事故による、深刻な放射線被害は、
福島県内はもとより、東北各県、北関東各県、首都圏に及んでいます。
被害の状況も、日常生活の全域にわたり、さらに困難さを増しています。
 
今回の企画では、放射線被害研究の第一人者メアリー・オルソン女史と、
この分野で尽力している女医の牛山元美医師、遠藤順子医師を迎えて、
汚染の実体、被曝の現状や影響、そして私たちにできる対策などを話して
いただきます。
貴重な機会ですから、ぜひご参加ください。
 
★【 メアリー・オルソンさん 】★
米国の原子力情報サービス(NIRS)の生物学者。
NIRS は、原子力発電による放射線被害を懸念する情報を市民に提供
する組織。
お父様は、マーシャル諸島での核実験後の海水サンプルを研究していた。
メアリーさんは、若い医学生の頃に仕事中、大変な被ばくを経験。
放射性廃棄物、放射線の問題を 20 年以上研究し、その問題の重大さを
社会に訴えています。
近年では、2014 年 12 月「核兵器の人道上の影響に関する第 3 回国際
会議」(ウィーン)、2015 年 5 月「核兵器不拡散条約の再検討会議NPT)」
(国連本部・ニューヨーク)などでスピーチを行なっています。
とりわけ、「放射線の影響は、男性に比べ女性が高く受ける」という研究
報告が注目されています。 〔NIRS http://www.nirs.org/
福島、京都、東京でのママさんたちとのミニ茶会を経て、日本縦断講演会
を終え、声をじっと聞き、被ばくへの防護についてお話されました。
 
★【 牛山元美医師 】★
さがみ生協病院の内科医として勤務。
ベラルーシで甲状腺研修を受け、関東、福島県で甲状腺エコー検診を始め、
いち早く放射能検診に取り組まれてきました。
首都圏、特に神奈川県内での検査について詳しくご存じです。
多くの母親との検診を超えた交流から、市民とともに「放射能から子どもを
守る」活動を続けています。
医療生協の保健学校や班会、また地元の自治会主宰の健康講座などで
お話もされています。地域の小学校の校医、大学病院での診療も続け、
研究会、学会などにもできるだけ参加しています。
 
★【 遠藤順子医師 】★
青森県弘前市にある健生病院の内科医として勤務。
室蘭栄高校を卒業し室蘭­工業大学に進学しました。卒業後は技術エンジ
ニアとして企業に就職。
その後、思う処あり、医師になる志を立て弘前大学医学部に入学されました。
甲状腺やリンパ節その他の臓器を超音波やCTなどの検査機械を用いて
画像診断をすることがあります。
福島から避難している人たちの甲状腺エコー検査をしたり、健康上の問題
など相談を受けています。
化学を含む様々な見地から、福島周辺で起こっている健康被害は、放射能
との因果関係抜きには考えられないと実感されています。





2015年11月4日水曜日

ママレボ10号(2015年11月発売号)発刊しました!


ようやく「ママレボ」10号ができあがりましたので、お知らせさせていただきます。
今年はママレボを予定通り発刊できず、申し訳ありませんでした!

本来は、年に4回発行の予定ですが、今年は諸事情があり、まだ2回にとどまっています…

ですが、定期購読してくださっている方には、かならず4回分はお届けいたしますので、少し気長にお待ちいただけますと幸いです。


雑誌版のご注文はこちらから(※発送は11月7日以降になります)

デジタル版のご注文はこちらから




Interview after 3.11
人材育成コンサルタント 辛 淑玉さん
 歴史をくり返させないために ほんとうの癒しを得るために 私たちの「命の見える」たたかい方 2

特集1
路頭に迷う2万5000人の区域外避難者
住宅供与打ち切りで発表された新施策・徹底検証 

特集2
被ばく医療に取り組む牛山元美医師からの提言
健康を守るための検査と記録、そして自己肯定感をもてる子育てを

この人に聞く❖福島大学准教授 荒木田岳先生
福島の安全性が見直される日は、近い将来必ず来る 

子どものために知っておきたい憲法のこと
 だれのこどももころさせない、をあきらめない 
❖弁護士 武井由起子さん

みんなの取り組み地域の活動 
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)
❖弁護士 河﨑健一郎さん

ママレボからおすすめの本 

放射能に負けないレシピ 
排出力を期待してりんごのレシピ3種

みんなの声 

Come back home❖都築啓子 

ママレボ 読者プレゼント 
「見捨てられた初期被曝」(Study2007)
※期間中、「ママレボ」を5冊以上ご注文くださった方に抽選で5名様プレゼント

ネットワーク団体一覧

福島で被災した動物たちの里親募集




2015年10月6日火曜日

「みんなでやっぺ!!きれいな6国」の 開催およびボランティア参加呼びかけに対する提言書

NPO法人ハッピーロードネットがきたる2015年10月10日に開催する「みんなでやっぺ!!きれいな6国」での道路清掃ボランティア活動に、周辺住民および中学校・高校に対し、参加呼びかけを行っています。


それに対し、子どもたちの未来と健康を守るプロジェクト・郡山では、イベント開催とボランティア呼びかけに反対する提言書を作り、賛同団体を募りました。

わずか2日間の間に53団体から「賛同します」という連絡がありました。

本来、清掃ボランティア活動というのは、尊い活動です。震災前から続けて来られた主催団体の活動には、心から敬意を表します。

しかし、原発事故後からわずか4年半で、自動二輪、原動機付自転車、軽車両及び歩行者の通行を規制されている帰還困難区域を含む周辺道路の清掃ボランティア活動の開催には反対せざるを得ません。

「規制されている道路をなぜボランティアが清掃しなくてはならないのか」「なぜ詳細な線量マップ・土壌汚染データ等が示されないままにボランティアを募っているのか」「なぜ中学生・高校生が参加しなくてはならないのか」「開催時に、どの程度の安全性を確保しているのか」ということへの説明も不十分です。

本来、《目に見えるゴミをなくし、故郷を美しくしたいという人々の善意》と《目に見えないゴミが、人々へ与えるリスク》を天秤にかけることそのものが、おかしな事態であり、疑念と違和感、憤りの矛先は主催団体だけに向けるものではありませんが、このような活動の開催および呼びかけの撤回を求め、人々の無用な被ばくをなくしてほしい主旨で、提言書を公表します。

提言書は以下の通りです。





呼びかけ団体/賛同団体は、以下の通りです。

呼びかけ団体:
     子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト・郡山
       
賛同団体:
     一般社団法人 子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト
     ママレボ出版局
     かふぇぷらす郡山
     Team毎週末みんなで山形 
     hand to hand project kawamata
     NPO アースエンジェルス
     はみんぐBird
     いわきの初期被曝を追求するママの会
     子ども脱被ばく裁判の会
     会津放射能情報センター
     ウィズキッズ(兵庫)
     NPO法人 新宿代々木市民測定所
     放射線量測定室・多摩
     角田市民放射能測定室
     小金井市に放射能測定室を作った会
     子ども脱被ばく裁判 支える会・高槻
     厚木市民測定所(ままラボ)
     NPO法人 子ども全国ネット
     横浜市民測定所
     NPO法人 市民放射能監視センター ちくりん舎
     災害避難者の人権ネットワーク 星の対話プロジェクト
     にしとうきょう市民放射能測定所 あるびれお
     秋田放射能測定室「べぐれでねが」
     子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会
     つながろうフクシマつながろう避難者の会
     京都原発研究会
     日本消費者連盟関西グループ
     東日本大震災避難者の会 ThanksDream
     ぴあ・ネット/100万年の会
     クライストチャーチの風
     ボイス・オブ・ヒロシマ
     地域に生きる川西市民の会
     美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
     福島老朽原発を考える会
     世田谷こども守る会
     こどもを守る会 いるま
     入間から発信!ずっと暮らし続けるために動く会
     放射能からみんなの健康といのちを守る秩父の会
     フクシマの子どもの未来を守る家
     Mamademo(ママデモ)
     原発震災から子どもの未来を考えるネットワーク
     基地のない平和で豊かな沖縄をめざす会 大阪
     グリーンフォレスト関西
     せいぶらいふあくしょん
     放射能から子ども達を守る枚方の会
     大阪の公害問題を考える会
     滋賀県放射性チップを告発する会
     大阪・放射能ガレキ広域化差止め裁判原告団
     特定非営利活動法人 R.I.La
     小さき花市民の放射能測定室(仙台)
     たまあじさいの会
     脱被ばく実現ネット
     原発なくせ三重県民会議
     もろびと平和サークル


(賛同連絡順)

2015年8月7日金曜日

あと1日!「避難する状況にはない」はほんとうですか? 8月8日締め切りのパブコメに、どうぞご意見を!

福一原発の事故後、避難指示のなかった地域に住んでいる(住んでいた)住民や子どもたちに大きな影響のあるのが「原発事故子ども・被災者支援法」。これは、政府による今後の原発事故被害者への政策に影響を及ぼす、大切な法律です。

いままでは、あまり原発事故に関心のなかったという人にも、ぜひパブコメを書いていただけたら……と願いながら、これを書いています。

8月8日〆切のパブコメはこちらから


◇放射能汚染を認めない改定案

「避難指示」を受けていなくても、子どもを原発事故の影響から守りたいとの思いをもつ住民はたくさんいます。県境や行政区別に放射性物質がとどまることなどなく、広範囲にわたって放射能汚染されてしまったことは周知の事実です。
しかし、「原発事故子ども・被災者支援法」の支援対象地域は、福島県浜通り・中通りとされ、行政区で区切られているだけではなく、福島県内にしか汚染はなかったことになっています。

さらに今回の同法改定案は、「福島県内にも放射能汚染はほとんどなくなった」とでも言いかねない内容。実際、「支援対象地域は、線量が発災時とくらべ大幅に低減し」「避難する状況にはない」という表現を使っています。「低減したのだから、国として避難への手立てを考えることをやめます」という方向につながりかねません。「被災者一人ひとりが居住、移動、移動前の地域への帰還についての選択をみずからの意思によって行うことができるよう、支援する」という、この法律の基本理念を真っ向から否定するものです。

復興庁による支援法基本方針改定案の説明会が、全国各地に避難する自主避難者に対して行われましたが、そこでもくり返し「避難する状況にはない」と説明されています。



◇放射能汚染の実状はどうなっているのか

前述のとおり、「避難する状況にはない」理由として「支援対象地域は、線量が発災時とくらべ大幅に低減し」と書いてありますが、実際に支援対象地域で測定してみると、とても「低減している」とは言いがたい状況があります。

先日、福島県郡山市の住宅街を測定しました。
いまなお、事故以前の放射線量である0.03マイクロシーベルト/毎時の、数倍から数十倍の地域も多く、住宅街のなかにも、事故前の数百倍にあたる“ホットスポット”がたくさん点在しています。


~~~~~~~~~~~~~~




上の写真は、2015730日に測定した、郡山市大槻町のあるアパート前の側溝の放射線量です。
地表すれすれの測定ですが、4.8マイクロシーベルト/毎時あります。
この測定の数分前に、よちよち歩きの子どもとお母さんが階段から降りてきたばかりでした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~




上の写真は、2015531日に測定した、郡山市日和田の小学生の通学路です。
いたるところに1~2マイクロシーベルト/毎時を超える場所が見つかりました。
測定に同行した母親は、すぐに周辺の保護者と連絡を取りあい、測定値を共有。その後、子どもたちの通学を、交代での車送迎にしたとのことです。

~~~~~~~~~~~~~~~

そして、「除染で線量が下がる」といわれていますが、そうとは言い切れない現状もあります。






上の写真は、2015730日に測定した、行政による除染済みの郡山市内の民家の線量です。この民家は、昨年10月に除染を行いました。

地表すれすれで測定していますが、2.6マイクロシーベルト/毎時、1.4マイクロシーベルト/毎時のところ(雨樋下)があります。庭の土+砂利のところは0.6マイクロシーベルト/毎時です。除染直後の測定値にくらべ、放射線量は上がっています。
それでも、行政による除染は一度だけで終わっています。

このような状況にありながら、原発事故からたった4年半で、「避難する状況にはない」と言ってしまっていいのか――。



◇住民に被ばくを押し付けることが「適切な対応」?

 福島県伊達市(Cエリアの除染は、スポット除染=局所的な除染しかしない)の放射線対策課の半澤氏は、電話取材に応じ、「放射線防護と原状回復(元どおりに戻すこと)は別」と話しました。
「行政が市民に、事故前よりも高い被ばくの“受忍”を強いるのか」と尋ねたところ、「予算は税金ですから」と答えました。結局は、おおかたの市民の意思しだいだと言いたいのでしょう。

他方で、復興予算の執行率は60%という報道(毎日新聞20150731)もあります。
必要なところに使われるはずの予算が、正当に使われていないために、住民に被ばくが強要されていると思わざるをえません。除染に限らず、自主避難者の応急仮設住宅のために使われる費用は、わずか年間80億円(毎日新聞20150609)という報道をみても明らかです。

615日には、自主避難者への住宅提供打ち切り(20173月まで)が発表されていますが、それに対する施策も今回の改定案では「適切に対応する」という、具体性に欠けた表現になっています。
「適切に対応する」はずの復興庁。今後、福島県が決める予定の「自主避難者への施策」に丸投げするつもりです。

先日の国会における院内集会に出席した復興庁の参事官、佐藤氏は、やはり自主避難者への避難住宅問題については、くり返し「福島県の施策で対応する」と説明していました。しかし、「福島県の施策」というのは、現状ではまったく不十分です。
「『福島県の施策で対応する』と言いますが、福島県の施策については、復興庁も先方と相談しているはずでは?」と指摘すると、「自分は担当ではないので」と弁明。「では、福島県と話し合っている担当の班はどこですか?」との追及に対して、はじめは「知らない」と言いながらも、「復興庁の被災者支援班が対応していると思う」と明らかにしています。


◇締め切りの8月8日は明日!

原発事故子ども・被災者支援法は、「基本方針を策定しようとするときは、あらかじめ、その内容に東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずる」としています。
しかし、これまで、「説明会」はあれど、市民の意思を確認される場は、ほとんどありませんでした。

自主避難者の避難住宅打ち切りの報道の際、「被災者の声を聞いてほしい」と再三求められていた「公聴会」も実現されていません。
  
唯一ともいえる、意見の届け先がパブコメ。
締め切りまであと2日を切りました。
今回の基本方針改定案について、ひとことでもいいので、どうぞご意見をお寄せください。


~~~~~~~






Our Planet-TVさんの記事(1)「自主避難者は非科学的?〜復興庁が支援法を完全否定」

Our Planet-TVさんの記事(2)「自主避難者の支援は不要」〜規制委・田中委員長がお墨付き


(文責・吉田千亜)