次号の「ママレボ」(6月1日配信予定)の特集2では、東北を取材し、ガレキの広域処理について考えてみました。
ブログではひとあし先に、ガレキ問題に詳しい3人の専門家に、広域処理量の問題と今後の課題をお聞きした内容をご紹介します。本日は、環境ジャーナリストの青木泰さんからのコメントです。
詳しくは、次号の「ママレボ」に掲載しますので、みなさまご予約ください!
*****
■ガレキではなく、人を受け入れる
(環境ジャーナリスト 青木泰さん)
僕は、ガレキではなく「人を受け入れる」ことが、最良の方法だと思っています。
九州や北海道といった汚染の少ない土地に人を受け入れて、そこで安全な食べものをつくってもらう。そしてそれを、関東や東北に送る。それこそが、被災地の手助けになるのではないでしょうか。
ガレキに関しては、環境省が言うように「安全」なのであれば、なおさら被災地で処理をしたほうがいいと思います。高い運送費に税金を使うより、現地で処理をすることによって地元にお金を落とすことができるからです。
ただし、「燃やす」ことについては、僕も非常に心配をしています。なぜなら、国は「何ベクレルまでのガレキなら燃やしていいのか」という規制値を決めていないからです。
今、国が定めている規制値は、ガレキを焼却した後に生じる焼却灰の埋めたて基準(8000ベクレル/㎏以下)だけ。僕はこれを、“おしり規制”と呼んでいます。
たとえば、毒物の致死量を表示する場合、「おしりから○ミリグラム以上出てきたら死にますよ」とは言わないですよね。口から摂取する量で規制するのが常識です。
だから僕はこれまでも、環境省に対して「燃やすならば、環境や人体に影響のない規制値を決めてください」と言ってきました。それが決められないなら、焼却はすべきではないと思います。
たとえば「森の防潮堤」のような案は、とても面白い。安全性に関しては、検証する余地があると思いますが、日本には優れた専門家がたくさんいますから、知恵を結集してのぞめば良い案はたくさん出てくると思いますね。
*****
プロフィール
青木泰
環境ジャーナリスト。「NPO法人ゴミ問題5氏連絡会」「環境行政改革フォーラム」など多数の幹事を務めている。著書 『空気と種物の放射能汚染』(リサイクル文化社)ほか。
(明日は、東京都大田区議員 奈須りえさんです)
0 件のコメント:
コメントを投稿