レポートアップが追いついていなくて、申し訳ないです…。
順番にレポートをアップしますので、少々お待ちくださいね。
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まずは、11月11日に開催された、「第1回東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の報告からです。
(当日の議事録はこちらから→ 東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 第1回議事次第)
この専門家会議は、10月11日に骨抜きのまま閣議決定された「原発事故・子ども被災者支援法」(以下、支援法)の基本方針に基づいて開かれたもので、福島県をはじめ、近隣県の子どもや妊婦に対する放射線の健康影響を専門家らが協議し、今後の健康管理のあり方や、医療に関する施策を検討するために開かれました。
(専門家会議開催趣旨と委員の名簿は下記)
◇長瀧重信氏が座長に
しかしながら、この専門家会議は、開催される前から「結論ありきのメンバーではないか?」という批判があがっていました。
なぜなら、長瀧重信氏(長崎大学名誉教授)が委員のメンバーに名前を連ねているからです。
長瀧氏は、悪名高き山下俊一氏(長崎大学理事・副学長/福島県立医科大学副学長)のボスであり、チェルノブイリ原発事故後に現地に入って調査をしていましたが、最後まで放射線被ばくによる小児甲状腺がんの増加を認めようとしなかった人物のひとりです。
こうした人物が名を連ねているのですから、放射線被ばくの影響が過小評価されるのは目に見えています。
この専門家会議が開かれる前、支援団体や、被災当事者の方々は再三、「専門家会議を開く
なら被災当事者や、こちらが推薦する専門家もメンバーに入れてほしい」と要望してきましたたが、まったく聞き入れられないまま開始されてしまいました。
◇「健康に影響はありません」のオンパレード
会の冒頭で、台本通り(?)に満場一致で長瀧氏が座長に選ばれ、続いて環境省の担当者が、福島県県民健康管理調査や、各自治体が子どもたちを検査した結果を示して、「今のところ放射線による健康影響が出ていない」というアピールを延々と行いました。
あきれたのは、岩手県や宮城県、栃木県、群馬県などから出された「今後、健康調査の必要はない」というコメント(下記資料)は示されるのに、千葉県9市の市長がそろって「健康調査の必要性」などを訴えて要望書を提出したことにはいっさい触れなかった点です。
(画像はクリックすると拡大されます)
「放射能から子どもを守ろう関東ネット」のお母さんたちが、東葛地域の子どもたちの検査結果が思わしくないことを何度も政府交渉の場で訴えていましたが、それも話題さえのぼりません。見事にスルーでした。
初期のヨウ素被ばくの評価についても、長瀧座長から「サーべーメーターで実測した1080人のデータが一番信頼できるのではないか」といった発言があり、いずれにしても被ばくを過小評価した流れになっていると感じました。
◇日本医師会が素晴らしい提案
そんななか、素晴らしい提案をしていたのが、日本医師会の石川広己委員でした。
『日本医師会が考える重要施策』(下記参照)を提示し、
「十分なデータが示されないなかで、子どもを持つ親の不安は計りしれない。そのため、健康調査や医療補償については、学齢期以降も含めて国が実施主体となってすすめるべき。将来、もし疾病等にかかることがあれば、十分な医療補償ができるよう立法措置を急ぐべきだ。もし被害者が望むなら、広島・長崎の被ばく者の方々のように、健康手帳を発行し、生涯にわたって健康診断を受けられるスキームを確立すべき」
と提案したのです。
(画像はクリックすると拡大されます)
これに対して長瀧座長は、
「健康調査をするなら、“目的”をはっきりさせなくてはならない。広島・長崎の被ばく者たちは、被曝線量がわかっている方をフォローし、検診の結果から被ばくの影響を見つけるという目的があって調べている。検査をする目的は、被ばくの影響をずっと調査したいということなのか、被ばくしたからなんとなくその人たちを援護していきたいということのか、健康調査の目的をしっかり議論しなくてはならない。健康診断をすることで、よけい被災者の不安をあおるようなことがあってはいけない」
と反論しました。
石川委員はこの言葉に対し、
「原発事故子ども・被災者支援法の第一条には、放射線が人の健康に及ぼす影響が十分に解明されていないからこそ、一定の放射線量が計測される地域に住んでいる(あるいは住んでいた)子どもたちには、必要な施策を講じよと明記されている。この条文は非常に重く、国が責任を持って、これらの地域の子どもたちの不安に応えてほしい」
と述べました。
この石川委員の言葉こそが、被災当事者や支援者の方々が、この一年半ずっと要望してきたことです。
結局は、原発事故子ども・被災者支援法の理念や、この専門会議を開催している目的をしっかりと把握しているのは、石川委員くらいかもしれません。(もっといることを願いますが、今のところわかりません)
いずれにせよ、かなり劣勢ではありますが、日本医師会の要望がしっかり専門会議で通るよう、私たちもこの会議の行方を見守っていきたいと思います。
(ママレボ@和田)
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