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2014年10月2日木曜日

「このままでは切り捨てられてしまうのではないか・・・」――【原発被災者がともに住宅問題を考える集会9.19】

9月19日、参議院議員会館にて、「原発被災者がともに住宅問題を考える集会」がひらかれました。
現在、平成28年3月までの応急仮設住宅の延長は決まっていますが、その後のことについては白紙状態のまま。避難生活を続けられるのか否か、大きな問題です。
「仮に住宅支援が打ち切られたら、帰りたいか帰りたくないかということなど考える余地もなく、帰らざるを得ない」という悲痛な声も聞かれます。
中には、自主避難区域の人であっても「実は家を引き払ってもう帰る場所もない。住宅支援が打ち切られたらどうしたらいいのか」という人もいます。


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基調報告でSAFLAN(福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク)の河崎健一郎弁護士が住宅問題の概要を説明。現在、弾力運用されている「災害救助法」は長期避難を想定していないので、さまざまな問題を解決できていないことを指摘。パブリックコメントでも、多くの人が「新規受付再開」「柔軟な住み替え」を求めていること、また、「1年ごとの更新の不安定さ」が問題点であることを挙げました。

また、『三重の壁』をクリアしないと、災害救助法に基づく支援が受けられないという大きな問題があることも指摘しています。


【三重の壁】
  1. 【内閣府】現在、災害救助法は内閣府が所管している法律なので、内閣府に弾力運用通知を出す出さないの裁量がある。適応対象地域に指定するかどうかも、内閣府に裁量がある。
  2. 【被災自治体】「うちの県からの避難者がそちらに行きます、よろしくお願いします」という通知を出すか出さないかによって、災害救助法の枠組みには乗るか乗らないかが決まってしまう。
  3. 【受入自治体】避難先自治体(受入側)も、「わかりました、受け入れます」と言わない限り、受け入れてもらえない。

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会場で聞かれた声の一部です。

今年の7月から署名集めを開始し、8月31日の一次集約までに約2300筆が集まった。避難指示区域外・避難指示区域内の方、両方が協力してやっていけたら、と思っている。第二次集約は10月末。多くの団体に協力いただいて、署名活動をすすめていきたい。全国組織も作れれば、と考えている」

《ぐんま暮らし応援会》の西川正さん】
「事故当時、まったく選ぶ余裕もなく、お母さんとお子さんで引っ越しをして、最近になってお父さんが引っ越ししてきた、というような事例もある。1DKでは対応できるわけがない。具体的に『困っている』という事例の集積が必要なのではないかと思う。」

「埼玉県のとある市では、4月に決まった延長の知らせが、翌年2月に避難者に通知が行った。信じられないこと。また、現在、4階に住んでいるけれど、膝の状態が悪化して、買い物が大変だ、というおばあちゃんもいた。その状態でも、住み替えが認められていないことは問題だ」

【北海道に避難をしている中手聖一さん】
「私たちは、健康で文化的に生活する権利をもっている。公的機関が支えていくもの、保証していくものだという視点が必要。住宅支援というと、賠償も絡めた、過去を向いた議論になりがちだけれど、これからの住宅支援を考える、避難されてきた方と一緒に、未来志向で考える支援が求められるのかもしれない――という声も。自治体レベルの協力も求めていったらいいのではないか」

【神奈川県に自主避難中の方】

 「どうしても住み替えをしたいと思い、電話で問い合わせをした。神奈川県には福島県が担当です、と言われ、福島県は国に問合せをして、と言われ、たらいまわしにされた。ようやく、国の担当がわかり電話をしたが、今度は電話に出た方が『直接担当者につなぐことはできない。メモをつなぎ、それに対して応えるので、とても時間がかかるけどいいか』と。それでもいい、と答えて待った。結局、返ってきたのは、『本来は仮設住宅に入るところを、人数が多かったために応急仮設になった。一度出たら家賃が発生するがいいのか』という答えだった。」


【小口幸人弁護士】
「地震や津波ではない状況を災害救助法で対応するのは無理だろう、と思う場面がある。だからこそ、日弁連からも新たな立法措置を求める意見書が出ている。放射性物質の半減期を考えると、やはり根本的な対策が必要だと思う。帰還、賠償の打ち切りという流れがある。今の延長線上では、切り捨てられてしまうのではないかと思う。苦しみ、怒りをぶつけてほしい。弁護士も、支援者も力になる」




現在、避難・支援ネットかながわでは、第二次の〆切にむけて署名活動が行われています。

ぜひ、ご協力ください。賛同・連携団体も募集中です。




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10月13日(祝)13時30分~16時30分
郡山市労働福祉会館にて、
「原発事故被害者の救済を求める全国集会in郡山」が開催されます。





文責/伊藤千亜











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