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2015年5月7日木曜日

渡利小学校(福島市)の通学路は、いまだに放射線管理区域なみの放射線量

 先日、福島市内の河川敷で、最大、毎時21マイクロシーベルトを観測」という記事を書いたが、同日423日に渡利小学校の通学路も測定したところ、こちらも深刻な数値だった。

 平均しても、毎時0.40.8マイクロシーベルト前後。環境省が定めている年間1ミリシーベルトの目安となる毎時0.23マイクロシーベルトを軽く超えている。18歳以下は立ち入りを禁止されている“放射線管理区域”レベルだ。それどころか毎時1マイクロシーベルトを超えるような場所もあった。


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 ちょうど下校時刻だったため、子どもたちが通学路を歩いて続々と家路につこうとしていた。



私たちが持っている「ホットスポットファインダー」を見つけると、「それ、何?」と言って近寄ってくる子どももいた。
この赤色の素材がインターロッキングブロック

 スタッフのひとりが、「これは、放射線測定器。この通学路は線量が高いから、あまり立ち止まらないで歩いてね」と注意すると、子どものひとりは、「そうなの?わかった」と、屈託のない笑顔でモニターをのぞき込みながら良い返事をしてくれた。

 除染に詳しいスタッフによると、「通学路に敷かれているインターロッキングブロックは、水が浸透しやすいので、放射性物質を含む水が染みこんでいるから放射線量が高いのではないか」とのことだった。

 さらにこの素材は、除染で洗浄しても、なかなか放射線量が下がらないらしい。

 しかし、子どもたちが(しかも、まだ幼い小学生)毎日通う通学路なのに、なぜこんなに高いままで放置されているのか。

除染はしたものの、その後ふたたび放射性物質を含む水を取り込んで数値が上がったのか。
それとも、除染はしたが、
そもそも数値が下がらなかったのか。
まさか、まだ除染をしていない、なんてことはないだろうし。

 そんなことをあれこれ考えながら福島市に問い合わせてみると、除染施設整備課の担当者が、以下のように答えてくれた。

「渡利小学校の通学路は、今まさに除染をしているところなんです。道路除染は、① 側溝の土砂上げ、②側溝の洗浄、③路面洗浄というように3つの工程に分かれているのですが、現在、渡利小学校の周辺は、① 側溝の土砂上げが終わった段階。
 最終的に、いつすべての工程が終了するかは未定ですが、半年もかからないと思います」

ということは、まだ、4~5ヵ月はかかる可能性はあるのだろうか……。

さらに担当者は続ける。

 「これまでのモニタリング結果を見ていると、山に面している道路などは、一度除染をしても線量があまり下がらない場所もあります。そういう場所については、除染業者が再度、洗浄を行っていますが、それでも下がらないケースがあるんです。
 現在は、追加除染が認められていないのですが、一度除染しても下がらない場所については、福島市として今後、環境省に追加除染を認めてもらえるよう働きかけるつもりです」

 福島市が目指す放射線量は、あくまでも毎時0.23マイクロシーベルトとのこと。
 ただし、なかなか放射線量が下がらない道路については、コリメーターと呼ばれる鉛の遮蔽材を使って、地上から1㎝の場所で測定して、最低でも毎時0.23マイクロシーベルトを目指すそうだ。

 しかし、原発事故から丸4年も過ぎたのに、子どもの通学路すら除染されていなかったということに驚いた。
 もちろん、住宅除染が優先で、それに時間がかかることもわかる。しかし、通学路の優先順位はもっと高くてもよいのではないか。
 なぜこの国はこれほどまでに、未来ある小さな人たちを大切にしないのだろうか。


ママレボ出版局 和田秀子

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