内容がまったく不十分なまま、10月15日から始まる臨時国会で、基本方針案が閣議決定される見通しとなった「原発事故子ども・被災者支援法」。
超党派の議員からなる議員連盟は10月4日、参議院議員会館で総会を開き、被災者の意見をじゅうぶんに盛り込んだ内容にするよう、福島県や各関係省庁を招いて意見交換を行い、そのうえで申し入れ書を提出しました。以下にポイントをまとめます。
◇ 福島県は、やはり「新規」の避難者受け入れ支援に対しては消極的
今回の総会には、福島県の避難者支援課長が参加。現在も14万5000人が県外に避難している福島県としては、とくに自主避難者が多い新潟県や山形県の知事と協議をし、10月下旬までに3県合同で、支援法にかんする要望書を提出するべく準備をすすめているとのこと。
引き続き「高速道路の無料化」や、「借り上げ住宅の延長」などを求めるほか、「借り上げ住宅の住み替え」を可能にするなどの措置を求める予定だということです。
また、福島県で実施している健康調査や、18歳以下の子どもに対する医療費無料などが引き続き円滑に続けられるよう、財政措置を望みたいとのこと。
しかし残念ながら、支援法の肝ともいえる「避難の権利」については触れず、とくに懸案となっている「新規に避難を希望する人たちへの住宅支援」については、支援課長の口から要望としてあがることはありませんでした。
やはり福島県としては、「県民の県外流出を食い止めたい」という思いがうかがえ、これに対して荒井広幸議員からは、「根本問題として、県は現在の放射線量に対する認識をどう持っているのか。国がだいじょうぶといっているから安全だと思っているのか」といった問いかけもなされました。
今回の総会には、福島県の避難者支援課長が参加。現在も14万5000人が県外に避難している福島県としては、とくに自主避難者が多い新潟県や山形県の知事と協議をし、10月下旬までに3県合同で、支援法にかんする要望書を提出するべく準備をすすめているとのこと。
引き続き「高速道路の無料化」や、「借り上げ住宅の延長」などを求めるほか、「借り上げ住宅の住み替え」を可能にするなどの措置を求める予定だということです。
また、福島県で実施している健康調査や、18歳以下の子どもに対する医療費無料などが引き続き円滑に続けられるよう、財政措置を望みたいとのこと。
しかし残念ながら、支援法の肝ともいえる「避難の権利」については触れず、とくに懸案となっている「新規に避難を希望する人たちへの住宅支援」については、支援課長の口から要望としてあがることはありませんでした。
やはり福島県としては、「県民の県外流出を食い止めたい」という思いがうかがえ、これに対して荒井広幸議員からは、「根本問題として、県は現在の放射線量に対する認識をどう持っているのか。国がだいじょうぶといっているから安全だと思っているのか」といった問いかけもなされました。
◇寄せられたパブリックコメントは4900件
続いて復興庁より、この間寄せられたパブリックコメントの「主な類計」が発表されました。件数は約4900件。
しかしこの数は、寄せられた「総数」ではなく、メールやファックス等で届いた意見を「類型」にわけて、その数を数えたもので、「総数」に換算すると2.5〜3倍くらいではないかとのこと。「ほかのパブリックコメントの件数をすべて把握しているわけではないが、ほかはもっと少ないのではないか」(復興庁)ということです。
パブリックコメントに寄せられた主な意見の類型は以下の通り。
○ 支援対象地域に関するもの・・・・約2700件
○ 被災者への支援に関するもの
・ 移動の支援に関するもの・・・・・約500件
・ 住宅の確保に関するもの・・・・・約700件
・ 就業の支援に関するもの・・・・・約400件
・ 放射線による健康への影響調査、医療の提供に関するもの・・約1500件
○ 手続きに関するもの(たとえば基本方針案を撤回してほしい等)
こうした意見は取りまとめて、後日、もっと詳細な内容を公表する予定だということです。
◇ 長崎、広島の「原爆症認定」の参考値は1ミリシーベルト
続いて、国会図書館の職員から「主な国際的線量基準と日本国内の線量基準」を比較して一覧にしたデータの説明がありました。
このデータは必見で、ICRPやIAEA、文部科学省、厚生労働省などが状況によって定めている線量基準が列挙されています。(資料はこちらにアップされています)
川田龍平議員が以前から、原子力規制委員庁に対して「提出してください」と依頼していたそうですが、いつまでたっても出てこないので、国会図書館にお願いして調べてもらったとのこと。
このデータの中でとくに注目すべきは、広島・長崎で被爆した方の「原爆症」認定の際の基準です。原爆症を認定する際の基準として、「原爆投下時に爆心地から約3.5km以内の場所にいて、初期放射線量が約1ミリシーベルト」と推測される人が原爆症の申請対象となったということ。
現在、福島県では、年間被ばく量20ミリシーベルト以下の場所に人が戻されつつあることは、やはりおかしいといわざるを得ません。
続いて、国会図書館の職員から「主な国際的線量基準と日本国内の線量基準」を比較して一覧にしたデータの説明がありました。
このデータは必見で、ICRPやIAEA、文部科学省、厚生労働省などが状況によって定めている線量基準が列挙されています。(資料はこちらにアップされています)
川田龍平議員が以前から、原子力規制委員庁に対して「提出してください」と依頼していたそうですが、いつまでたっても出てこないので、国会図書館にお願いして調べてもらったとのこと。
このデータの中でとくに注目すべきは、広島・長崎で被爆した方の「原爆症」認定の際の基準です。原爆症を認定する際の基準として、「原爆投下時に爆心地から約3.5km以内の場所にいて、初期放射線量が約1ミリシーベルト」と推測される人が原爆症の申請対象となったということ。
現在、福島県では、年間被ばく量20ミリシーベルト以下の場所に人が戻されつつあることは、やはりおかしいといわざるを得ません。
◇議連として申し入れ
最後に、議連としてあらかじめ策定した申し入れ書の内容のすり合わせを行いました。
オブザーバーとして参加していた谷岡元参議院議員からは、「放射線に対して感受性の強い子どもや女性にじゅうぶん配慮する内容でなくてはならない。ストロンチウムやプルトニウムといった核種もじゅうぶん測定されておらず、国民がリアルタイムで汚染状況を把握できるようなシステムを構築するべき」との意見が出されたほか、ほかの議員からも、「パブリックコメントが反映されるよう求める」ことや、「被災者の声を常設的に聞くシステムを構築する」といった要望が出され、これらを取りまとめたうえ、午後には復興庁ならびに環境省へ要望書が提出されたとのことです。
→議連の資料やレポートは下記にアップされています。
【傍聴報告】子ども・被災者支援議員連盟 総会
→当日の映像はこちら
IWJ 2013/10/04 「閣議決定は臨時国会が始まる15日が努力目標」浜田昌良復興副大臣~子ども・被災者支援議員連盟総会
◇議員に最後の呼びかけを
「原発事故子ども・被災者支援法」をすすめてきた「支援法市民会議」では、現在、基本方針案の見直しを求める嘆願書を、各地域の議員に送るアクションを始めています。
今回の基本方針案に対しては各地の自治体からも異論があいついでいるため、なんとか被災当事者の意見を反映した内容にしてもらうよう呼びかけを続けたいと思います。みなさんも、ぜひ地元の議員に嘆願書を送ってください。
よろしくお願い致します。(ママレボ@和田秀子)
(嘆願書はダウンロードしてご利用ください)
関連記事:
0 件のコメント:
コメントを投稿