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2013年4月2日火曜日

都内でも、いまだ1μSv/h越えのスポットあり~河川敷でのお花見や川遊びには注意~

 桜も満開となり、世間は一気にお花見ムード。
 学校は春休みに入り、子どもたちが外で遊ぶ機会もふえている。
 しかし、やはり心配なのは、外遊びをする際の放射能汚染の影響だ。

 私が住む東村山市には、空堀川という一級河川があり、この時期になると川縁に植えられた桜が満開になる。子どもたちが芝生のうえで遊んだり、川に入ってザリガニとりをしたりする様子も多く見られる。







 しかし残念ながら、芝生や川縁は空間線量が高い傾向にある。

 地元の父母らで結成した「子どもの未来を考えるゆるやかなネットワークin東村山」(以下、ゆるやかネット)のメンバーの方が、空堀川周辺の空間線量を計測したところ、以下のようなマイクロスポットが発見された。




注目していただきたいのは、地図の⑥⑦⑭⑮あたりだ。
資料②で場所を確認すると、地上1メートルの位置で、空間線量がそれぞれ⑥0.37μSv、⑦0.26μSv、⑭0.24μSv、⑮0.47μSvと高く、地上0メートルでは、1μSv近くにまで達しているところもある。
 空間線量が高くなっている場所は、いずれも「排水溝付近」や、増水時に水が流れた「水道の跡」とのことだ。

(資料提供:「子どもの未来を考えるゆるやかネットワークin東村山。詳細は、ゆるやかネットのブログを参照ください)


 私たちが測定に同行している間も、子どもたちが芝生の上で座り込んだり、排水溝近くの水辺で遊んでいる姿が見られた。

 ゆるやかネットの方が、「ここは放射線量が高いから、あちら側で遊んだほうがいいよ」と注意すると、子どもたちは「えっ!そうなんですか?僕たちいつも、思いっきりこのあたりで遊んでいました」と驚いて、駆けだして行った。

 東村山市では、5月下旬に空堀川周辺で、「空堀川・川まつり」が開かれ、河川敷に屋台が出されるほか、魚の放流やカヌーレースなどが開催される。 その際に、子どもたちが知らず知らずのうちにマイクロスポットに近づく可能性がある。
 そこで、ゆるやかネットのメンバーが、管理者である東京都に連絡をして「除染してほしい」と依頼したところ、「国の除染基準は、周辺の空間線量より1μSv以上高い場所」なので対応できない、という返答があったという。

 東京都が示す「国の除染基準」とは、2011年10月に文部科学省が定めた「福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への文部科学省の対応について(平成23年10月21日)」に基づいたもので、該当するマイクロスポットが見つかった場合は、文科省に連絡をすると除染の支援が受けられる。

 しかし一方で、東村山市独自の除染基準は、「地表1メートルの高さで、毎時0.23マイクロシーベルト以上」。(この基準は、環境省が定める「除染関係ガイドライン」にならったもののようだ)
 文科省が定めている除染基準と比べると、毎時0.77マイクロシーベルト以上も差があるため、「東京都が管轄だからといって放置してよいのか」「東京都は、都民の健康を軽視しているのではないか」と、保護者らは戸惑いを見せている。

 ゆるやかネットの方々は、「もう事故から2年もたっているし、安全だろうと思っている保護者も少なくありません」と危惧しており、今後は市や、空堀川を守る地元のNPO団体とコンタクトをとりながら、マイクロスポットのエリアには注意喚起をうながすような看板を立てられないかと模索中だ。

 都内ですら、想像以上に線量が高いスポットが見つかって驚く一方で、福島では、毎時1マイクロシーベルト前後の場所が面で広がっているのだということに、また心が痛む。(もちろん、1マイクロシーベルトを超えるホットスポットも数多く存在する)

 いずれにしても、子どもたちは放射性物質のたまりやすい河川敷や、排水溝の近くなどで遊びたがる。
 子どもたちに対して、「リスクが高いのはどういう場所か」ということをきちんと教え、自らリスクを軽減できるように教えていくことが大切だ。

 春休みに入り、アウトドアで過ごす時間がふえる。もう一度、子どもたちの遊び場の放射線量をチェックする必要がありそうだ。

                                       (ママレボ@和田秀子)




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