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2013年8月26日月曜日

「原発事故被害者の救済を求める全国運動」キックオフ記者会見~原発事故子ども・被災者支援法の早期実施と、損害賠償請求権の時効延長を!~

「原発事故被害者の救済を求める全国運動」キックオフ記者会見が8月26日(月)、参議院議員会館で行われました。

 主催は、「原発事故被害者の救済を求める全国運動 実行委員会」。

 この全国運動のねらいは、世論を喚起し、「原発事故・子ども被災者支援法」の早期実現と、東電への賠償請求に関する消滅時効延長のための特別措置法制定を求めることです。





■国民的なムーヴメントに

 超党派の議員立法により、全会一致で2012年6月に成立した「原発子ども・被災者支援法」。

 しかし、成立から2年半経った今も、支援対象地域すら決められていません。

 そればかりか、復興庁の水野前参事官によるTwitter暴言事件などが明るみに出て、政府が意図的にサボタージュしているとしか思えない由々しき事態となっています。

 これら一連の問題を受け、福島県などの住民や自主避難者計19人が8月22日、国を相手取り、基本方針の早期策定などを求めて東京地裁に提訴しました。 

 しかし、被災者の救済と賠償に後ろ向きな政府を動かすためには、訴訟だけでは足りません。

原発事故被害者の救済と東電への賠償請求に関する時効延長を求めるためには、世論を喚起し、国民的なムーヴメントにする必要があるのです。
 そこで今回、これまで支援法の早期実施を働きかけていた支援団体や被害当事者などが集まり、「原発事故被害者の救済を求める全国運動」が開始されたというわけです。
 

「原発被害者の救済を求める全国運動」呼びかけ文

http://www.foejapan.org/energy/action/130816.html


 この日、記者会見に参加した呼びかけ人の佐藤和良さん(いわき市議会議員)は、
「支援法が成立したことで、15万人の避難者や195万人の福島県民、さらには東日本で1ミリシーベルト以上のところに住む人たちが共通に支援される枠組みができた。
 しかし、政府の不作為によって支援法の基本方針策定が先延ばしにされている。国民的な運動を起こして何としても支援法の実施を急がないといけない」 

と話し、原発事故・子ども被災者支援法の早期実施と賠償の時効撤廃を求める嘆願署名を「500万筆集めたい」と、決意表明しました。



★嘆願署名はこちらからダウンロードできます!



<子ども・被災者支援法の幅広い適用と早期実施 賠償の時効問題の抜本的な皆生tうを求める嘆願署名>




■被害は進行中、時効期間の延長を

 次ぎに、福島第一原子力発電所の事故による損害賠償請求権の消滅時効について、
海渡雄一弁護士が、

「見通しがたってから請求をしようと思っている人も多い。そういう人たちの権利を奪うということがあってはならない。年末までには特措法の制定ができるよう、日弁連としても全力を注ぐつもりだ」

と述べました。

 海渡弁護士の説明によると、現在、福島県から避難している人の人数は約15万人。

福島県内にとどまっている人は190万人以上と推定されますが、原子力損害賠償紛争解決センター(ADR)に申し立てをしている件数は、わずか7090件だそうです。

 東電側は、政府が指定した避難区域の住民で、すでに仮払い補償金を受けている人は、「時効中断の対象」となると見なしているようですが、仮払金を受領していることを証明するダイレクトメールを受けとることができない被害者や、受け取っていても、それを示せない被害者は、対象からもれるおそれがあるのだそうです。


 また、避難区域外である中通りや、那須塩原といった放射線量が高い地域は、まったく時効中断の対象に含まれていません。


 つまり、原発事故による損害賠償請求をしたいと思っても、事故から3年経過すると時効が成立してしまい、泣き寝入りするしかなくなる可能性があるのです。


 現在、仮払い報奨金を受け取っている被害者であっても、今後何年間、東電が補償を継続するかについては、まったく不明のままです。


海渡弁護士は、


 「時効まであと8カ月という短い期間で、ADRへの申し立てや訴訟の手続きをしなければならないことになれば、大混乱になる。そもそも、加害者側である東電が、被害者を選定するのはおかしな話しであって、被害者同士の分断につながりかねない」


 と、強い懸念を表していました。








<東京電力福島第一原子力発電所事故による損害賠償請求権の時効期間を延長する特別措置法の制定を求める意見書>


 今もなお、汚染水は大量に海に漏れ続け、原発事故は収束どころか、悪化の一途をたどっているようにすら感じます。

 先の見えない生活の中で、被害者はなんの補償も受けられず、疲れ切っています。
先進国とは思えないほどの人権侵害が進行中なのです。

 私たちは、この状況を共有し、一日も早く被害者が救済されるよう、大きなムーヴメントを起こす必要があるのではないでしょうか。

 ママレボ@和田秀子












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