つい先日、復興庁の水野元参事官によるツイッター暴言事件が起きたこともあって、これまでほとんど報道されなかった支援法も、徐々に注目を集め始めています。
この日も、立ち見が出るほど多くの記者や参加者が集まりました。が、支援法の具体的な施策は、まだ何一つ決まっていません。
記者会見の冒頭で、この一年、支援法の進展に尽力してきたSAFRANの福田弁護士から、次のようなコメントがありました。
「一年前にこの法律が成立したとき、被災者の支援にあたっている関係者は法律が実施されることで、事態が改善できるのではないかと期待した。
あれから一年、具体的に目に見える成果はほとんどない。
支援対象地域も定められていない。この間、避難を続けることが難しく、被災地に戻る決断をした方も多数いる。これは、国の不作為以外のなにものでもない」
そのほか、原発事故の被害者である方々から、以下のような声が発せられました。
一部を抜粋してご紹介します。
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「郡山から東京に母子避難している。いまだ甲状腺検査は受けられず、先日、横浜の病院で血液検査と甲状腺検査を実費で受けた。子どもに〝しこり〟が見つかってほんとうにショックだった。
検査を受けるためには、子どもひとりあたり21,000円もかかる。母子避難の身としては非常に厳しい。これは福島だけの問題ではなく、関東全域の問題。自分のこととして、みなさんに声をあげてほしい」 (郡山→東京都/母子避難/二塀和子さん)
「避難勧奨地点に指定されていた伊達市小国地区に住んでいたが、その後避難した。しかし昨年末、なんの説明もなく避難勧奨地点が解除され、その後、賠償金も打ち切られた。
もっと早くに通知してくれていれば、災害復興住宅融資を利用して、避難先で住宅再建することもできたのに。伊達市になんとかしてほしいと訴えたが、ありきたりの返答しかない」 (伊達市から避難中の菅野さん)
もっと早くに通知してくれていれば、災害復興住宅融資を利用して、避難先で住宅再建することもできたのに。伊達市になんとかしてほしいと訴えたが、ありきたりの返答しかない」 (伊達市から避難中の菅野さん)
「関東も他人ごとではない。プルームが通り過ぎた3月15日と21日の雨による初期被ばくが気になっている。関東の子どもたちにも健康診断を実施してもらうため、これまで6回、復興庁に申し入れをした。先日問題を起こした水野元監事官とも、事件が明るみに出る数日前に話をした。あのときも私たちのことを見下していたんだと思うと、とても腹がたつ。
私たちは好きで被ばくをしたわけではない。国は、国民を守る義務がある。基本的な生活すら守られていない現状を、許すことはできない。福島と比べて、関東はまだ声があげやすい。福島のためにも声をあげていきたい」 (放射能からこどもを守ろう関東ネット 代表:増田薫さん)
「全国の自治体や団体から、『支援法を速やかに進めて欲しい』という要望書が多く提出されている。この法律を実のあるものにするためには、無関心層を動かし、世論を変えていくしかない。支援法を広めていくために、わかりやすくアプローチするプロジェクトもはじめる予定。この声を大きくしていきたい」(子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク 伊藤恵美子さん)
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ちょうどこの日、復興庁の水野元参事官の処分が決定しました。
30日の停職処分の後、総務省に異動になるとのこと。(NHKニュース「中傷で復興庁元幹部を停職処分」)
この日は、復興庁から阿部政策調査官も出席し、「この度は不適切な発言があったことをお詫びする」と述べました。
しかしこれに対し、「これは水野氏ひとりでの問題ではない。復興庁がほんとうに反省し、あらためるなら支援法を今度どのように進めていくか声明を出してもいいはず。個人の問題としてすり替えて終わらすことのないように、メディアの方にもくれぐれもお願いしたい」(郡山→札幌 宍戸慈さん)」という意見や、
「なぜ、部下をお詫びに来させるのか?本来ならば、部下の不祥事は上司があやまるべきだ。このままサボタージュを続けていたら、みんなそのうち福島に帰るだろうと思っているのなら、まったくのまちがい。手痛いしっぺ返しがくるのだということを覚えておいてほしい」(SAFRAN 河崎弁護士)
といった厳しい意見があがりました。
まったくその通りだと思います。 ママレボ編集部としても、この法律を多くの方に知っていただけるよう、引き続き情報発信していきます。
また、ママレボ編集部も参加している子どもたちを放射能から守る全国ネットワークでは、この夏から「原発子ども・被災者支援法」を多くの方に知らせるためのキャンペーンを行います。
ブログでも随時紹介していきますので、みんなで大きなうねりにしてきましょう。
ママレボ@和田
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